国際条約としてのガット 6
いま日本を例にとって、その点を説明してみましょう。
日本が正式にガット加入を実現するのは1955年のこと。
その議定書国家間の合意を意味する文書は
「日本国は……次の規定を適用しなければならない」としたうえで、
「(i)一般協定第1部及び第3部の規定。
(ii)この議定書の日付の日に有効な日本国の法令に反しない最大限度において、一般協定第2部の規定」
・・・となっています。
つまり、前者についてはその完全履行が義務づけられているのに対して、後者については現在の日本の法令に合致する限度においてのみ順守を義務づけられているにすぎません。
両者の法的位置づけは明らかに違っているのです。
以上を裏返していえば、仮にガット加入以前にガット第2部の条文に違反する法令があったとすれば、日本はこれについてはガット規定に従わなくてもいいということになります。
これがいわゆる祖父条項であり、これについては国内法が国際条約に優先する形となります。