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2010年08月 アーカイブ

国際条約としてのガット 3

第二次世界大戦後の世界経済の再建構想は、アメリカの強いイニシアティヴの下に、


(1)為替の安定と為替制限の撤廃


(2)復興開発資金の供与


(3)自由貿易体制の確立


この三つを軸に、それぞれについて看視の役割を果す強力な国際機関を設けることを目標に進められました。


このうち前二者については国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)として具体化されたものの、第三の国際貿易機構についてはその草案である国際貿易憲章(ハバナ憲章=ITO)が作成されたものの、参加各国の批准をえるにはいたらず、流産に終ってしまいます。


その直接の理由はハバナ憲章の主唱者であるアメリカにおいて議会の激しい反対に遭遇したからであり、


「ハバナ憲章を議会が批准すれば行政府の権限が非常に拡大され、同時に国際条約をたてに議会の行動に制約を加えられることに対し、米国議会が神経過敏であったため」です。


大統領と議会の対立という伝統的構図が、国際貿易機構を推進したのがアメリカであれば、同時にそれを潰したのもアメリカであるという、パラドキシカルな状況を招いたのです。

国際条約としてのガット 4

こうした動きとは別に、1947年4月、23力国の代表がジュネーブに会して、戦後初めての関税引下げ交渉が行なわれ、延々半年におよぶ交渉の結果多国間関税協定が成立し、48年1月1日から発効します。


通常、この時点をもってガットの正式な誕生の日とされています。


ガット条文の第1部と第3部はほぼこれに由来するものです。


問題は以上の協定が、より包括的な国際貿易機構の成立を前提として、その一環として考えられていたことでしょう。


しかし、事態は予想外の発展を示すこととなりました。


肝心の国際貿易機構が前述の理由から不成立に終ったからです。


こうした事態に直面して、新生のガットはハバナ憲章の内容を大幅に縮小し、これを暫定的に自らの一部に採り入れるという形で体制の再整備を図ります。


それがガット第2部であり、ガット第29条が「この協定の第2部は、ハバナ憲章が効力を生ずる日に停止する」と明示していることからも明らかなように、ガット第2部はいまもってハバナ憲章成立までの暫定措置としての域を脱していないのです。

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