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2010年07月 アーカイブ

国際条約としてのガット

最初にガット条文の法的性格について簡単に説明しておきましょう。


現行のガット規定は4部38条から成っていますが、それらは必ずしも体系的に首尾一貫したものではありません。


その成立事情からいっても、また法的規範からいってもそれぞれに性格の異なる三つの部分から構成されており、その意味でに現行のガット条文ははいわば三つの混合体です。


つまり、


(1)関税下げと最恵国待遇を規定した第1部(第1~2条)と加入・脱退の手続きを規定した第3部(第24~35条)。


(2)自由・無差別貿易の具体的内容を規定した第2部(第3~23条)。


(3)発展途上国への貿易上の特例を規定した第4部(第36~38条)


この三者がそれです。


ごく大まかにいって、(1)は一般的関税協定に、(2)は一般的貿易協定に、また(3)は対低開発国協定にほぼ該当します。


法的規範からいえばもっともきびしい規制を行なっているのは、(1)の一般的関税協定の部分です。

国際条約としてのガット 2

加盟各国はほとんど無条件にこれらの諸規定を順守することを義務づけられています。


ところが同じガット規定でも、(2)の一般的貿易協定の部分になると規制はずっと緩やかとなり、明文上の規定にもかかわらず、合法・非合法をふくめてさまざまな例外措置が認められています。


そこでの法的規範はかなりの程度曖昧化するのです。


最後に、(3)の対低開発国協定になると、法的規範はさらに弱まり、ほとんど宣言法に近いものとなります。


もともとこの第4部は1956年に追加されたものであり、内容的にみればガット原則を大きく逸脱するものとなっています。


ただし、それらはあくまでも先進国が一方的・恩恵的に供与するものであり、法的に義務づけられているわけではありません。


問題は、(1)と(2)との関連。


つまり一般的関税協定と一般的貿易協定とではかなり異なった法的性格をもっているという点についてです。


同じくガット条文でありながら、両者は何故にそのように違っているのでしょうか。


そのことを説明するためには、改めてガット成立時の事情をふり返ってみなければならないでしょう。

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